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民泊普及へ規制緩和を後退させるな

投稿日 : 2016年3月28日 | 最終更新日時 : 2016年3月28日

空き部屋や空き家を活用し旅行者を受け入れる「民泊」を巡り、政府が規制緩和のための議論を進めている。既存の旅館業界の反対もあり、施設面などで厳しい条件を課す意見もみられる。しかし「民泊」は日本の観光に新たな魅力を加え、個人が資産を生かし収入を得る道も開く。可能な限り柔軟に対応したい。

大手民泊仲介サイトによれば、欧米の先行例では、一般の個人が自宅の一室などに旅行者を泊める「ホームステイ型民泊」が主流だという。休眠資産の有効活用と外国人との交流が主な目的になる。

しかし日本では、収益だけを目的にマンションなどの部屋を用意して客を泊める「ビジネス型民泊」が多数派を占めている。実態は限りなくホテルに近い。このため、ゴミ出しなどのトラブルや旅館業界の反発を生んでいる。

これら2タイプの民泊は、きちんと区別して議論したい。そうしないと議論が混乱し、結果的に新しい旅行文化の芽をつぶすことになりかねない。

ホームステイ型は、宿泊者の身元確認など最低限の義務を除き、原則的に自由に認めるべきだ。旅館業法はもともとホームステイ型民泊のような形態を想定しておらず、同法の対象とすること自体に無理がある。

住宅街や農村で日本の生活にふれたい外国人に喜ばれる。こうした民泊は立地や旅行目的からみて旅館と市場は重ならない。連携して、ツアー商品を作る手もある。

一方のビジネス型は、現行の旅館業法の対象になってもおかしくない。新種の簡易宿泊業に乗り出したい企業などがあるなら、「民泊」を名乗るのではなく、別途、旅館業法の改正などを求めるのが筋ではないか。

東京・大田区が特区制度を活用して始めた「合法な民泊」の登録が低調だ。大田区は旅館に近い設備とすることを義務づけつつ、既存の旅館と競合しないよう短期の滞在は認めない。2タイプのどちらを想定するかはっきりせず、使いにくい仕組みになった。

ホームステイ型とビジネス型の線引きは簡単ではない。同居を義務づければ「相続した近所の元実家」などが活用できなくなる。民泊合法化で先行する欧州では、年間の稼働日数で線引きするなど工夫している。海外の例を参考に、現実的で、旅行文化の多様化に役立つあり方を議論してほしい。