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民泊はホスピタリティこそ生命線/韓国との関係悪化を懸念/植田貴之TPM代表

投稿日 : 2019年9月25日 | 最終更新日時 : 2019年9月25日

[建設ニュース]

2019.09.24

世界最大の民泊マッチングサービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」が日本で本格的にサービスを始めたのは、2014年。日本ではここ5年間で民泊事業へ乗り出す企業が急激に増え、8月末時点で大阪市だけで、民泊特区として申請されている施設の数は2856件、部屋数は9043室にのぼる。大阪市の特区民泊の規模は日本全国の約9割を占め、競争が激化している。18年7月に会社を設立し、民泊事業に乗り出したTPM合同会社(大阪市浪速区)の植田貴之代表に話を聞いた。

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――民泊を始めたきっかけは。

2年前にインターネットを見ていたら、ふと民泊サイトが目に留まり、一部屋からできることや資金面でもほかの事業に比べ比較的安価に始められるため、気軽な気持ちで始めた。まずは個人で部屋を借りて民泊として運用する方法で、扱う物件が増えてきたことから会社を設立した。現在は合同会社という形だが、10月には株式会社に組織変更し、事業を拡大していく予定だ。

――民泊を運営するうえで苦労することや気を付けていることは。

民泊は中国や韓国などのアジアを中心に世界各国から利用する方がいる。それぞれ文化の違う国から来日するので、利用者のニーズが一定でなく、それを聞き出し、求めているサービスを提供することは容易ではない。コミュニケーションの不足が原因で、小さい問題でも大きい問題まで発展してしまうことがあるので、細かくコミュニケーションを取るようにしている。

旅館やホテルに比べて安価に利用できることが民泊の魅力の一つだが、安いからと言って質を落とすことはできない。利用者の多くが重要視するのが部屋の清潔さ。細かい毛や水垢、埃などが溜まっていると印象が悪く、民泊予約サイト内で共有できるレビューに悪い評価が広がるので、利用率に直結する。

――ホテルや旅館、ほかの民泊とどう差別化しているのか。

もともと民泊は現地の人と触れ合い、現地だからこその経験や体験をするといったことから始まり、それが魅力となっている。民泊ビジネスが日本に本格的に浸透してきて約5年、今一度原点に戻り、利用者とホスピタリティに溢れる関係を築くことに重きを置くべきだ。

海外では経験できない日本ならではの経験や体験を民泊内で味わってもらいたい。たとえば、外出せずにも味わえる日本料理を中心としたサービスを提供することもひとつ。ホテルや旅館にはキッチンがないが、民泊にはキッチンがある。そういったホテルや旅館になく、民泊にあるもので、さらにほかの民泊と差別化するため、新しいサービスを日々試行錯誤している。短期間の宿泊だが、まさに日本に住んでいるような居心地の良い空間を提供することができたら、と。

――これからの民泊業界をどう見るか。

訪日外国人数は14年ごろから急増しており、18年には3000万人を超えた。今後もラグビーワールドカップ2019日本大会から始まり、東京オリンピックや25年国際博覧会(万博)など国際的なイベントが目白押しで、訪日外国人が増加することは確実で、民泊市場はさらに大きくなるだろう。

ただ、現在は韓国との関係の悪化で、売上が急激に減っており、耐える時期だと考えている。韓国からの来日者は中国の28%に次いで14%と2番目に多く、このまま関係が悪化していくなら、民泊事業を前提に建てているマンションは採算が合わなくなる。民泊を前提としたマンションは利回り面などで賃貸マンションやホテルなどに転用することは難しく、その結果、1年後を目途に市場に出回る物件が増えるだろう。

――これからの会社としてどう動くのか。

10月から株式会社に組織変更し、まだまだ扱う物件を増やす。民泊だけにこだわらず、大阪府下、なかでも京阪神地域を中心に買取を強化、物件に応じて賃貸業、不動産再生事業、リフォーム業など不動産事業全般を展開し、まずは会社を認知してもらえれば。

仕事もプライベートもだが、自分のモットーとして「自分が楽しいと感じることをやる」ということを常に考えている。まずは自分が楽しめないと続かないし、利用者にも楽しいと感じてもらえることはない。不動産に関することはもちろん、多種多様なことにアンテナを張って、常にチャレンジしていきたい。

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(うえだ・たかゆき)3月18日生まれ。アメリカ・ロサンゼルスの専門学校を卒業した経験を活かし、機械に頼ることのないコミュニケーション能力を武器に、言語の壁を感じさせないストレスフリーな関係を利用者と築く。不動産業のかたわら、サックスやギターの先生として音楽教室でも活動している。