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今、シェアリングエコノミーに注目すべき理由とは?インバウンドとの関係を解説

投稿日 : 2019年8月20日 | 最終更新日時 : 2019年8月20日

[訪日ラボ]

2019/8/19

シェアリングエコノミーとは「共有経済」という意味で、ヒトやモノ、場所、乗り物、お金など、個人が所有する様々な資産を、インターネットを介して個人間で貸し借りや交換しする関係のことです。

2018年5月、日本の総務省は地域課題の解決に有効であるとして「シェアリングエコノミー活用推進事業」で募集した団体に補助金を支援しました。また昨年以来、中国で広まるシェアリングエコノミーには大きく注目が集まっています。シェアサイクルでは失敗する企業も現れましたが、デリバリーサービスやライドシェア、またシェアサイクル各社は引き続きしのぎを削っています。

今回は、こうしたシェアリングエコノミーは日本での生活にどのような変化を与えているのか、またビジネスとしてどのような価値があるのか、利点や注意点をまとめます。

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シェアリングエコノミーとは?

シェアリングエコノミーとは、一般社団法人シェアリングエコノミー協会によれば「インターネットを介して個人と個人の間で使っていないモノ・場所・技能などを貸し借りするサービス」です。

この概念が生まれたのはアメリカのシリコンバレーで、インターネットの発展が、それまでは自分だけが所有していたものやサービスを他人と共有することのハードルを下げてきました。

モノやサービスを共有するということは、購入するためのコスト、維持するためのコストを削減できるというメリットがあります。またこうしたシェアリングエコノミーで、モノやサービスに所有者が存在する場合でも、貸し出す側は不要なものを貸し出して利益を得ることができるというメリットがあります。

人材のシェアという概念も、シェアリングエコノミーの一つとして注目が集まっています。企業にとっては、必要なスキルを持つ人材を必要な期間だけ起用すると言った形でのコスト削減ができ、働き手は時間の縛りの厳しくない仕事ができるというメリットがあります。

シェアリングエコノミーに注目が集まる3つの理由

年々シェアリングエコノミーへの注目が集まっています。その理由を3つの角度からまとめます。

1. 新しい働き方ができる(自分が働きたい時間のみ働ける)

フリーランスによるリモート(働く場所を選ばない)での労働価値の提供も、シェアリングエコノミーの浸透によって実現した新しい働き方です。

これまでは、企業が従業員を育成し、一定額の給与を支払い、従業員はそれと引き換えに業務に従事していました。

スキルをシェアするという概念が生まれてからは、基準スキルを満たすフリーランスは企業に属することなく、好きな時間帯、好きな場所で働くようになっています。企業は人材育成のコストを引き受けることなく、必要なときだけ高いスキルを利用することができます。

2. スマートフォンの普及

スマートフォンの普及やインターネット通信速度の向上により、情報の検索や発信はユーザーにとってより身近になっています。シェアリングエコノミーを形成するインターネットプラットフォームへのアクセスも容易になっています。こうした環境はシェアリングエコノミーの広まりを後押ししています。

3. 海外での広まり

発祥地であるアメリカでは、シェアリングエコノミーで収入を得る労働者が1,030万人にものぼります(2012年〜2015年)。これは労働人口の実に6.5%を占め、新しいビジネスモデルとしてすでに定着していると言えるでしょう。

また、中国でも政府が合法化を進めたことにより、ライドシェアがメジャービジネスとして成長しました。

貸す側、借りる側、双方のメリットとは?

海外ではすでに浸透しているシェアリングエコノミーは、日本にも広まりつつあります。

具体的にどのようなメリットがあるのか。貸す側と借りる側の視点から整理します。

遊休資産を有効活用できる(貸す側)例:住居

「稼働休止資産」とも呼ばれ、事業のために取得したはいいが、全く使用していなければ資産価値は落ちる可能性が高く、無駄な資産として取り扱われます。

これをうまく活用したケースに挙げられるのが民泊です。例えば古民家や居住していない所有マンションなど、宿泊施設として利用することで利益を得ることができます。

安価で利用できる(借りる側)例:住居

現在は格安のビジネスホテルでも、需要過多が続き、1泊3万円〜4万円することも珍しくはありません。これが民泊となると半分以下の値段で滞在することができます。

加えて、5人以上の家族で宿泊施設を探す際、ホテルであれば一部屋に宿泊するのは難しいことの方が多いでしょう。しかし、例えば一軒家やマンションを貸し出す民泊を利用すれば、旅先でも全員同じ空間で過ごすことができます。こうした施設は結果として、旅費の削減という点だけでなく、細分化されたニーズを満たすこともでき、滞在中の満足度が向上するでしょう。

初期費用が少ない(貸す側)

新たなビジネスを始める際、必ず必要になってくるのが設備投資などの初期費用ですが、現在世界で広まるシェアリングエコノミーでは、すでに所有している資産を貸し出すものが大半です。貸し借りを仲介するプラットフォームであるインターネットサービスに登録するだけで貸し出しを開始でき、新たな設備投資の必要がほとんどありません。

使いたいときだけ使える(借りる側)

ものやサービスを所有することになれば必ず維持費が必要になります。例えば車の場合、税金や燃料費、さらには駐車スペースの確保など、所有に伴い様々な経費が発生します。

対してシェアリングエコノミーを活用する場合は、こうした維持費もかからず、必要な時だけ利用することができます。所有することと比べた場合、大幅なコスト削減につながります。

2つのデメリットとは?

ここまでシェアリングエコノミーのメリットをご紹介してきましたが、トラブルやリスクといったデメリットも当然存在します。確かなメリットが存在する一方で、日本ではこうしたリスクを意識してかサービスの広まるスピードは他国と比べゆっくりです。

シェアリングエコノミーのデメリットについて整理してみましょう。

1. 信頼なくては成立しない

シェアリングエコノミーは、プラットフォームにおいて貸し出す側と借りる側のマッチングが行われますが、プラットフォームがシェアされるモノやサービスの品質をどこまで担保するかは、そのマッチングサービスによります。

こうした仕組みは、貸し出す側の不適切な値付けを可能にシ、借りる側に不満があった場合、必ずしも保証されるわけではないため、トラブルに発展する可能性があります。

借りる側に問題があるケースとしては、共有資産を丁寧に扱わないといったマナー違反や、料金の未払いが考えられます。

こうしたプラットフォームの不完全さが残る場合、シェアリングエコノミーは、貸し出す側、借りる側が互いを信頼していなければ成り立たないという側面があります。トラブルを未然に防ぐため、また起こった場合も再発が防止されるよう、こうしたプラットフォームには相互評価制度が導入されているものも少なくありません。

2. 法整備が不十分

日本ではシェアリングエコノミーを対象とした法整備はまだ完璧ではなく、個人間のやり取りを取り締まるような法律が不足している面があります。こうしたグレーゾーンな事業やサービスも現状存在している状態です。

こうしたグレーゾーンのサービスを利用する場合、万が一事故やトラブルが発生しても補償を受けられない可能性もあります。2018年6月に施行された民泊新法は、こうしたグレーゾーンをなくす意味合いもあります。

シェアリングエコノミー7つの例

個人間でやり取りの行われることが多いシェアリングエコノミーですが、企業がプラットフォームをつくることによって、日本でも安心して利用できるサービスが増えてきました。
その中でも注目されているサービスをご紹介します。

1. 車:Uber(ウーバー)

車を運転することができれば、誰でもタクシー運転手になれるサービスです。空いた時間と自家用車を有効利用でき、配車の予約から決済まで、すべてアプリを通じて行うことができます。
世界70か国で利用され、タクシーを使うよりも料金が抑えられると好評です。

・タイムズカーシェア
カーシェアリングにより、必要な時に必要なだけ車を使えるサービスです。24時間いつでも利用でき、予約した3分後に使用可能で、ガソリン代や保険料を支払うこともありません。

2. 自転車:金沢のシェアサイクルサービス

「まちのり」と呼ばれる自転車シェアサービスです。1日わずか200円という料金と、21か所あるサイクルポート、またはまちのり事務局で貸出・返却を行っています。

さらに手荷物の一時預かりサービスや、宿泊先からの配送・受け取りサービスを行っているため、金沢観光を目的とした訪日外国人にも好評を得ています。

3. 家:Airbnb

世界を舞台にした民泊サービスです。旅行先の土地で他人の家に宿泊することができ、「空いている部屋(家)を貸したい人と借りたい人」のマッチングを行っているサービスです。

ホームステイ型と丸貸し型に分かれ、新しい旅行のスタイルをつくりあげたとして高く評価されています。

4. スペース:スペースマーケット

会議室にパーティー会場、そして宿泊施設に至るまで、文字どおり空いたスペースを有効に活用するサービスです。

予約から支払いまでサイトで行うことができ、ゲストとホストのメッセージ機能や口コミレビュー、さらには利用形態まで見ることが可能です

貸す側、借りる側双方のプラットフォームで、無料で会員登録を行うだけでレンタルスペースを検索することができます。

5. 服:Air Closet(エアークローゼット)

月額生のファッションレンタルサービスです。プロのスタイリストが個人に合わせたコーディネートを行い、レンタルした洋服はクリーニングすることなく返却することができます。

スタイリストにリクエストを伝え、コーディネートの満足度はなんと91.8%にも上ります。登録は無料で、借り放題の料金でも月額9,800円と、購入するよりはるかにお得な点も好評の理由でしょう。

6. 食べ物の配達員:UberEATS(ウーバーイーツ)

デリバリーサービスを行っていないレストランが、特定の店舗に所属しない配達員を利用することによって、個人宅まで料理を提供するサービスです。

利用者、飲食店、配達員の三者をアプリがつなぎます。利用者は食べたい料理を自宅に取り寄せることができ、飲食店は売り上げを獲得でき、配達員は隙間時間を利用して報酬を得られるというシステムです。

7. 知識やスキル・リソース:ココナラ、クラウドワークス

ココナラが「スキルのフリーマーケット」と呼ばれ、イラストレーター、占い、コピーライターなど様々な人から知識・スキルの提供を受けられるサービスです。仕事の受発注ができます。サービスは1回500円から購入することができます。

クラウドワークスもスキル販売サイトです。無料で登録ができ、仕事の受発注を行います。メッセージのやり取り、報酬の支払い、「源泉徴収」も可能です。

シェアリングエコノミーはインバウンドでも注目の概念

Airbnbの事例のように、シェアリングエコノミーはすでにインバウンドにも大きな影響を与えています。日本という限られた環境では需要のないサービスも、海外からの旅行者には大きな需要がある場合も少なくありません。インバウンド経済が拡大していく中で、シェアリングエコノミーも大きく発展していくとも考えられ、今後も引き続き注目の概念と言えるでしょう。

←Airbnb 日本では「民泊新法」が施行されたが、Airbnbの物件数は増加している。 BigTunaOnline/ Shutterstock 民泊仲介サイトのAirbnb(エアービーアンドビー)は8月10日、全世界での一晩の宿泊者数が400万人を突破したと発表した。一晩の宿泊者数としては、過去最高だという。 世界の人気都市の中でも東京と大阪はトップ10に入っており、1つの国から2都市がトップ10に入っているのは日本だけだという(2019年6月のデータより)。 2008年に設立されたAirbnbは、2014年に日本上陸。シェアリングエコノミーの代表格として注目を集めてきた。しかし、2018年6月、一般住宅の空室や空き家を宿泊施設として利用する場合のルールを定めた「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が施行。 この民泊新法のあおりをうけ、Airbnbに掲載されていた多くの物件がリストから姿を消した。2018年まで右肩上がりだった物件の掲載数は、新法施行の前後に一気に8割減の1万3800件にまで激減したとみられる(日本経済新聞、2018年6月4日付)。 Airbnbが発表したデータによれば、民泊新法による物件数の落ち込みは、この1年で、施行前の数を超える水準にV字回復しているという。 2019年6月時点で、Airbnbに掲載されている物件の件数は約5万件、予約できる室数は約7万3000室へと増え、いずれも過去最高をマークした。 その大きな要因となったのが、企業とパートナーシップを組むことによるサービスの拡大だ。パナソニックホームズなど物件を貸し出す64社を中心に計117社と提携し、事業会社系物件のマッチングも担う。「Airbnb Partners」と名付けられたこの枠組みは、世界で唯一日本だけが展開している。 外資コンサルで活躍する女性クリエイターに聞く「デザインの可能性」 Sponsored 外資コンサルで活躍する女性クリエイターに聞く「デザインの可能性」 “民泊の旗手”として拡大してきたAirbnbがこれから見据えるのが、民泊にとどまらない「体験」を重視したサービスの拡大だ。 Airbnb 自分が持っているスキルを「体験」として売り出すことができるように。 出典:Airbnbウェブサイト 現在、Airbnbのサイトでは、「宿泊」の他に「体験」さらに「レストラン」の検索も可能になっている。掲載されている「体験」を見てみると、秋葉原のアニメの聖地を巡るツアーや新宿で居酒屋をハシゴするツアーなど、訪日外国人に人気のありそうなものが目立つ。 2016年から始まったこの「体験」は現在、世界の1000以上の都市で、4万件以上が予約可能だという。 さらに、高いクオリティーのホストを認定する「Airbnb Plus」、一泊数十万円規模のラグジュアリー物件が予約できる「Airbnb Luxe」を開始するなど、宿泊においてもより「体験」を重視したサービス展開に舵を切っている。 2019年内の上場も噂されるAirbnb。民泊にとどまらない事業展開で、シェアエコの新しい形を示すことができるのか。 関連記事 USJの遊び方に“異変”? 理由は 「インスタ映え」と「格安年パス」 (文・西山里緒)