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民泊再燃?ライバル激減で、五輪フィーバーに期待大! 期間中は自宅民泊で1泊10万も可能か。

投稿日 : 2019年7月3日 | 最終更新日時 : 2019年7月3日

[健美家]

2019/07/03

東京五輪の観戦チケットの抽選結果が発表された。来年の東京五輪に向けて、いよいよ騒がしくなってきた。東京五輪は、2020年7月24日から 8月9日までの17日間行われる。

そこで再び目を向けたいのが民泊である。現在、民泊を行うには、保健所の許可を取った上でしか経営できず、その手間から、撤退した人も多くいる。

そのため、ライバルが激減。許可を取って民泊を続けているオーナーの中には、「以前よりも、安定経営できている」という人も。そこで、5~6年前から民泊を続けている女性Aさんに、民泊の現状と東京五輪までの見通しを聞いた。

●民泊新法の施行後、8割弱も掲載件数が減少

5~6年前から城南エリアの一軒家で民泊を行っているA氏の住まい。このリビングで、宿泊しているゲストと共に過ごすことも。
5~6年前から城南エリアの一軒家で民泊を行っているA氏の住まい。このリビングで、宿泊しているゲストと共に過ごすことも。

住宅の空き部屋に旅行者を有料で宿泊させる民泊。民泊新法が施行されたのは、2018年6月15日。以後、住宅を貸す場合は、保健所に届けて許可をえなければならない。

大手民泊サイトのAirbnbは民泊新法の施行後、届出/許可登録番号がない物件は掲載しないなど、無許可民泊を排除している。2018年6月4日付けの日本経済新聞電子版では、民泊新法の施行後、Airbnbで検索できる施設は8割弱も急減した。

筆者も『3万円からの民泊投資』(WAVE出版)の取材で、民泊オーナーを数多く取材したが、民泊新法の施行後、撤退したオーナーを多く目にした。なぜなら、許可を取るには手続きが必要で、許可を取ったとしても営業可能日数は年間180日に制限されるからだ。

民泊を行うなら、簡易宿所の許可を取って、ホテル業を始めるといった動きも見られた。

だが、今回、自宅で引き続き民泊をしている女性Aさんに会い、以前と変わらず、民泊で収益を出しているケースがあることを知った。

●自宅の1室で、最低でも月20万円の売上

Aさんが都内で民泊を始めたきっかけは、シングルマザーとして家計を担いながら、仕事も家事も育児もしなければならかなったからだ。幸いにして、渋谷駅沿線の城南エリアで、一戸建てを所有していることから、知人から、アメリカで流行っていたAirbnbを勧められ、始めてみることに。

すると、「最初から、びっくりするほどうまくいった」という。

Aさんが始めたのは2014年頃で、まだ日本で民泊が流行する前だった。家主同居型(ホームステイ型民泊)で、3階建ての自宅の1室を貸すスタイルだ。宿泊するゲストは、アメリカからの旅行客が多い。

3カ月ほど滞在する外国人の利用が多く、閑散期でも1泊7500円~、月22万5000円の売上となる。観光ビザが3カ月で切れることもあり、3カ月でゲストが入れ替わる場合が多い。

フレンドリーなゲストばかりで、親子共に外国人旅行者との交流を楽しんだ。英語を学ぶこともでき、かけがいのない国際交流の場となることも民泊の大きな魅力だった。長期滞在者が多いことから、民泊で懸念されているような「騒音」や「ゴミ問題」といったトラブルはなかった。

●許可は、意外にも簡単に取得できた

ゲストルーム。備え付けの2段ベッドを用意して、単身者でもカップルでも利用できるようにした。
ゲストルーム。備え付けの2段ベッドを用意して、単身者でもカップルでも利用できるようにした。

シングルマザーにとって、月に20万円を超える副収入は大きい。新法が施行されたからといって、民泊を止める選択肢はなかった。そのため、区役所内にある保健所と消防署に行き、所定の許可を取ることに。

「実際に区役所、保健所、消防署を回りましたが、新たにリフォームしなければいけない箇所もなく、拍子抜けするほど、簡単に許可を取ることができました」

民泊新法の施行後、周辺でも、民泊から撤退した物件が多く、ライバルが減ったこともあってか、売上は堅調だ。

東京五輪の期間中の予約も受付を開始した。まだ予約は入っていないが、通常の3倍以上の料金設定をしている。Aさんの周りで民泊を行っている仲間の間では、都内であれば、1泊10万円でも五輪開催期間中は、宿泊ニーズがあるのではないかと見ているそうだ。

1泊10万円だとすると、五輪開催期間の17日で、170万円の売上となる。

●より快適に、楽しんでもらえるような配慮を

ゲストルーム内に新たに設置したシャワールーム。許可を取るためにではなく、ゲストがいつでも好きなときにシャワーを使用できるようにとの配慮から。
ゲストルーム内に新たに設置したシャワールーム。許可を取るためにではなく、ゲストがいつでも好きなときにシャワーを使用できるようにとの配慮から。

長く民泊を行う中で、ゲストもホストも、より安全に、快適に過ごせるように、工夫した部分がいくつかある。1つは、水回りを以前は共用で使っていたが、お互いに、シャワーを浴びる時間など、気を使うことから、ゲストルームに、シャワールームを設置した。

これまで、ゲストが何か問題を起こすようなことはなかったが、10代の年頃の娘さんがいることから、ゲストは女性かカップルに限定することに。

また、おもてなしの心から、サービスで、夕食や朝食を振る舞っている。

もてなしの心から、家族の食事を準備した際には、ゲストにも声をかけ、食事を振る舞うこともある。食事の料金などは取っていない。
もてなしの心から、家族の食事を準備した際には、ゲストにも声をかけ、食事を振る舞うこともある。食事の料金などは取っていない。

そもそも民泊を宿泊場所に選ぶ人は、日本の暮らしを、日本の家で、体験したいと思っている人が多い。

Aさん宅のように、食事も含めて、日本の暮らしを体験できる民泊は、ホテルで泊まるのでは得られない特別な体験ができるため、今後も一定のニーズはあるのではないだろうか。

観光庁の調べによると、民泊の届け出件数は、新法施行当初の2210件から毎月増加を続け、今月7日時点では当初の7.8倍の1万7301件にまで増えてきている。うち半数は東京23区に位置しており、今後は地方での広がりも期待される。
来年の東京五輪の開催期間を見据えて、民泊を見直してみるのもいいかもしれない。

健美家編集部(協力:高橋洋子)