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[社説]自治体は民泊への理解深めよ

投稿日 : 2019年6月18日 | 最終更新日時 : 2019年6月18日

[日本経済新聞]

2019/6/14

一般の住宅に旅行者を泊める住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行から1年がたった。届け出件数は緩やかながらも着実に増えてきた。だが一部自治体の消極的な対応が事業者の意欲をそいでいる。

外国人観光客のニーズは多様化し、民泊の需要は高まっている

外国人観光客のニーズは多様化し、民泊の需要は高まっている

自治体への届け出は1万7千件となった。市場の将来性をにらみ企業の参入意欲は強い。安倍政権が掲げる観光立国を支えるビジネスとして軌道に乗せるには、制度の改善が必要だ。

問題は、自治体の後ろ向きな姿勢である。民泊を営業できる区域や期間を国の法律よりも厳格にしている自治体は少なくない。たとえばトラブル発生時に10分以内に管理人が駆けつけることを要件とするなど、屋上屋を架すような規制は成長の芽を摘みかねない。

法律の施行当初は民泊の先行きが見通せなかったため、守りの意識が働いたのも仕方あるまい。旅館への配慮もあるだろう。だが1年たった今も、消極的なままでよいのか。年間の外国人延べ宿泊者数は9千万人近くにのぼる。外国人観光客を温かく地域社会に迎え入れる施設は欠かせない。

事業者も住民への説明や衛生面の管理など地道な努力を怠ってはならない。住民の不安は根強く、ひとつの小さなトラブルが地域全体の信頼低下につながることを肝に銘じるべきだ。

事業者と自治体が、民泊の健全な発展のために何をすべきか共通認識を持つことが大切だ。

東京都新宿区は民泊仲介会社と協力し、事業者に法令を順守するよう呼びかける。区内の観光情報を提供し、地域との交流を促す。岩手県釜石市は民泊事業者などと連携し、空き家を単身者向けのルームシェアや民泊として活用する。こうした官民連携の取り組みを全国に広げたい。

日本人の若者も民泊を利用し始めており、地域を訪れる交流人口の拡大につながる。自治体が市場の変化に目を凝らし、地域経済を刺激するビジネスとしての可能性に理解を深めれば、民泊の起業と利用はさらに伸びるはずだ。

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