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「民泊」届け出386件 中国地方、訪日客増で存在感

投稿日 : 2019年6月14日 | 最終更新日時 : 2019年6月14日

[中国新聞 – This kiji is]

2019/6/13

©株式会社中国新聞社

香川さん(右から2人目)の自宅に宿泊し、けん玉を体験するポルトガルからの観光客

 一般住宅に有料で旅行客を泊める「民泊」の中国地方での届け出数が5月末時点で386件に上ることが12日、中国新聞の調べで分かった。住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行から15日で1年。訪日客の増加に伴い、じわり存在感を増しつつある。一方で届け出をしない「ヤミ民泊」は依然残っているとみられ、自治体は対応に頭を悩ませている。

 「日本の家庭に遊びに来たみたい」。6月初旬、廿日市市のハキモフ香川有加さん(46)の自宅で、2泊したポルトガル人のマリアナ・ペルディーナ・アラウーショさん(31)たちが満足そうにほほ笑む。朝食時には香川さんの子どもと一緒にけん玉を体験した。

 宮島観光のアドバイスも受けた。「地元の人と交流でき、また日本に来たいと思った」とアラウーショさん。香川さんも「日本の魅力を直接伝えられるのが民泊の良さ」と述べる。

 民泊には、こうした家主の家に泊まる「有人」タイプと、マンションの空き部屋に泊まる「無人」タイプがあり、いずれも人気が高まっている。中国地方5県と政令市への届け出数は、5月末時点で、広島県内が252件▽山口25件▽岡山57件▽島根35件▽鳥取17件―で計386件。昨年5月末の10件と比べて、急ピッチで増えている。

 宿泊者数も急増中だ。観光庁によると、昨年6〜7月の中国地方での民泊宿泊者数は延べ1581人だったのに対し、ことし2〜3月は8432人に上る。

 一方で、課題は「ヤミ民泊」の存在だ。広島市内では昨春に約300室の民泊物件があり、うち8割が無許可営業とみられていた。しかし新法の施行後、ことし5月末までに届け出たのは194件。残る物件のうち一部はヤミ営業を続けているとみられる。「ヤミ業者にアクセスすることすら難しい」と市環境衛生課の久保盛恵課長は打ち明ける。

 ヤミ民泊の手口は巧妙化している。民泊の調査を請け負うオスカー(東京)によると、自治体が家主に発行する「届け出番号」を偽造する例が後を絶たない。行政の監視の目をかいくぐるため、週末だけ仲介サイトに載せる業者も多い。

 自治体は、観光庁と連携し、仲介サイトが提供するリストと家主の登録情報を照合し、ヤミ業者を排除しようとしている。ただ監視する職員は不足しがちで、対応は追いついていない。「誰が泊まったのか分からないヤミ民泊は匿名性が高く、犯罪に悪用される恐れがある。自治体はもっと対策に本腰を入れるべきだ」とオスカーの中込元伸社長は指摘する。

 <クリック>民泊 旅行者らの宿泊先として、一戸建て住宅やマンションの空き部屋を有料で提供すること。ホテルより安価で外国人旅行者に人気があり、インターネット仲介サイトを通じた利用が多い。昨年6月に施行した住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づき、都道府県と政令市などへの届け出によって年180日まで営業できる。全国の届け出数は5月15日時点で1万6588件に上る。住環境の悪化が懸念される場合は、都道府県や政令指定都市などが条例で営業を制限できる。