一般社団法人日本民泊協会|公式サイト | お寺に泊まるだけじゃない!「宿坊」が今、関西の宿泊シーンの最先端キーワードに!

会員ログイン

お寺に泊まるだけじゃない!「宿坊」が今、関西の宿泊シーンの最先端キーワードに!

投稿日 : 2018年12月27日 | 最終更新日時 : 2018年12月27日

Yahoo!ニュース Japan – 2018.12.26

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181226-00173289-tkwalk-life

お寺に泊まるだけじゃない!「宿坊」が今、関西の宿泊シーンの最先端キーワードに!

お寺の併設施設に宿泊する「宿坊」。近年その宿坊はどんどん進化し、体験から観光まで楽しみの拠点に!そんな大きく変化している宿坊の今を探る。<※情報は関西ウォーカー(2018年12月14日発売号)より>

【写真を見る】高野山では、伝統的な精進料理も人気が高い。日帰りプランを提供している宿坊もある

■ インバウンド需要が宿坊人気に火をつけた

お寺に併設の宿泊施設に泊まって精進料理を食べ、夜は早く寝て朝はお勤めに参加。お寺の文化財を拝観できる所もあって……。「宿坊」と聞くと、こんなイメージを抱く人が多いのではないだろうか。

そもそも宿坊が生まれたのは、遠く平安時代あたりまでさかのぼる。寺院への参拝者やそこで修行する僧侶のための施設として宿坊は生まれ、江戸時代の寺社参詣ブームで全国各地に広まっていった。現在、日本全体で約350の宿坊があると言われるが、そのほとんどが先述のような施設だ。しかし、建築美を愛で、歴史を感じられるなど、これまで「泊まること」そのものが目的だった宿坊に今、大きな変化の波が押し寄せている。

例えば、山内に52の宿坊が並ぶ真言密教の聖地・高野山では2004年の世界文化遺産登録後、ヨーロッパを中心に外国人観光客が増えた。彼らは宿坊に泊まってお寺という空間そのものを満喫しつつ壇上伽藍など山内をじっくり見て歩き、時には写経や坐禅を体験しているという。

外国人宿泊客が増えたことで民間企業主催のナイトツアーも実施されるようになり、参詣のために休むことがおもだった目的の宿泊が、高野山をより体感するという体験型に変化してきた。ちなみに利用者は今後も増加が予想されるが、いかんせん宿坊の数は限られているため、最近は人気が集中して予約が取りづらい宿坊も出てきている。

ところで、宿坊を利用する外国人旅行者の多くはAirbnbやbooking.comなど世界的な宿泊予約サイトでその存在を知る。サイトに掲載されている宿坊という日本の文化を凝縮したような個性的な宿泊施設は、外国人の目にとても魅力的に映り、日本に行くなら泊まりたい!という流れで、高野山での宿坊人気となったようだ。

これら大手宿泊予約サイトは日本でも本格展開を始めていて、急速に広まっている。また宿坊のような“個性的な宿”を利用することは、外国人だけでなく国内の個人旅行でもトレンドとなってきた。そういった状況のなか、地元の人との交流や宿坊型ホテルといった、従来とは違う魅力で評判となる施設も出てきている。

■ コミュニケーション型に!宿坊型のホテルまで

奈良県吉野郡にある七宝山 宝塔寺は2017年から宿泊を始めた、まだ新しい施設。宿泊者は外国人が多数を占め、連泊利用の多さも特徴だ。宿泊施設はカフェ併設で、連泊者はそこでのんびり過ごしたりするのだが、カフェは地元の人も利用しているので、時には集まった地元の人たちと宿泊客の交流会が始まることもあるとか。そこが利用者に評判となり、リピーターも生まれている。つまり宿坊を舞台とした地域の人とのコミュニケーションが、ここの一番の魅力というわけだ。

「吉野金峯山寺を望む高台に当寺院はあります。のんびり癒されるために宿泊を利用される方が多く、また食事や写経などの体験に関しても、できるだけご希望を聞くようにしています」と、七宝山 宝塔寺住職の寺島法瑞さん。

一方、宿坊スタイルの新ジャンルも登場している。大阪・天王寺区に2017年に誕生した和空 下寺町は、宿坊型のホテルだ。界隈は約80の寺社が集まる、日本有数の寺社密集地。畳の上にベッドを設置することで外国人も利用しやすい作りの客室、館内で写経や坐禅体験ができるだけでなく、周辺を散策できるほか、近くにある愛染堂勝鬘院での護摩祈祷に参加することも可能。施設だけで宿坊体験を完結するのではなく、地域と一体になった体験が好評となっている。加えて、ホテルながら本格的な精進料理が味わえるのも魅力。天王寺まで徒歩圏内という立地のため、観光拠点としても最適だ。

「天王寺から徒歩圏内にあるので、気軽に非日常体験をしていただけます。寺町に息づく歴史を感じてみたり癒されたり、思い思いに楽しんでいただけるよう、多彩な宿泊プランを用意しています」と、和空 下寺町支配人の小川泰弘さん。

■ 新たな宿坊が今後も誕生、魅力的なコンテンツに期待

これまで1000年近く同じスタイルで展開してきた宿坊の大変化。今後はどんな展開が期待されるのだろうか。

一般社団法人全国寺社観光協会の和栗隆史氏によると、「今年施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)によって、これまで宿泊施設を持っていなかった寺社でも、条件を満たせば宿坊を始められるようになってきました。全国に目を向けると、すでに地域の食に特化した宿坊や1日1組限定の優雅さが魅力の施設も誕生しています」とのこと。観光庁のテーマ別観光による地方誘客事業に「社寺観光 巡礼の旅」が選定されていることもあり、今後は寺社や、寺社に宿泊することが国内観光の重要なニーズになってくるとも。

「宿坊創生事業を展開する和空からは、滋賀県の天台寺門宗総本山三井寺に高級路線の和空 三井寺が2018年に誕生。今後も宿坊の多様化はますます進んで行くでしょう」

■ 数字で見るヒットのポイント

【8万4000人越】一般社団法人高野山宿坊協会によると、高野山を訪れる外国人は2017年が8万4000人超と2016年の約110%増。2018年はさらに増加する見込み。

【3施設】住宅宿泊事業法に適応した宿坊が、紹介した宝塔寺、和空三井寺に加え、大阪市平野区の「スバル庵 如願寺」と、すでに3施設が誕生した。

【20種】和空 下寺町で体験できるアクティビティ数。女性を中心に最近人気の御朱印帳づくりなどもあり、年齢・性別問わず好評だ。

■ 今回お話を聞いた団体、施設

■一般社団法人高野山宿坊協会/高野山にある宿坊の情報や高野山内の日帰り体験情報などを提供。宿坊での日帰り精進料理プランの予約もできる。

■一般社団法人全国寺社観光協会/一人でも多く寺社へ足を運んでもらうために活動している団体。株式会社和空が運営する宿坊サイト テラハクも監修。

■高野山 普賢院<住所:和歌山県伊都郡高野町高野山605 電話:0736-56-2131 休み:なし 料金:1泊2食付き(1万800円~) アクセス:高野山ケーブルカー高野山駅より南海りんかいバス各線約10分千住院下車、徒歩すぐ>

■七宝山 宝塔寺<住所:奈良県吉野郡吉野町上市1945 電話:0746-32-5055 休み:なし 料金:1泊朝食付き4950円~ アクセス:近鉄大和上市駅より徒歩15分>

■和空 下寺町<住所:大阪市天王寺区下寺町2-5-12 電話:06-6775-7020(受付5:00~24:00) 休み:なし 料金:1泊朝食付き1万584円~ アクセス:地下鉄四天王寺前夕陽ヶ丘駅より徒歩6分>

(関西ウォーカー・関西ウォーカー編集部)