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民泊新法施行2カ月 もてなし多様、予約好調 地域で歓迎/「個」を尊重

投稿日 : 2018年8月17日 | 最終更新日時 : 2018年8月17日

茨城新聞 – 2018.08.17

https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15344176473215

一般住宅に有料で旅行者を泊める「民泊」を解禁した住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月15日に施行され、2カ月が経過した。県内の届け出は16日現在で35件。「宿泊予約は好調」(関係者)で、順調な滑り出しをみせる。地域を挙げて客をもてなす運営者がいる一方、客の時間を尊重する運営者もいて、スタイルは一様ではない。茨城町では農家民泊が外国人に好評で、運営者は新たな物件の届け出を進めている。 (報道部・黒崎哲夫)

■アパートの1室

龍ケ崎市佐貫2丁目の静かな住宅街、アパート2階のドアに「住宅宿泊事業(民泊)」と青い字のプレートが貼られた1室がある。大家の近藤典明さん(74)が市内に所有する計4件の民泊物件の一つだ。

近藤さんは、米国の大手民泊仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」を活用して宿泊客を募る。冷蔵庫や洗濯機を備え、和室に布団敷きの2DK、JR佐貫駅まで送迎付き。泊まるのは米国、カナダ、ロシア…と多国籍。都心に近いため観光に限らず受験などの用途もあり、3週間の長期滞在者もいる。

特徴は、1泊2000円を切る宿泊費と、酒席など地域での「もてなし」。近藤さんら地元住民でつくるNPO法人が希望者に歓迎パーティーを開く。近藤さんは「龍ケ崎を記憶に焼き付けてもらおうと始めた。外国人との交流が楽しみ」と話す。

■BBQも

ひたちなか市三反田の住宅街にある元モデルハウスで民泊を運営するのは奥野善樹さん(49)。最大10人が泊まれ、客層は若い人が中心。訪日客の多いひたち海浜公園に近く、観光シーズンは予約が埋まる。

「ニーズの大半は大人数」という。客の利用時は奥野さんも物件に滞在するものの、カウンターを設けてセルフチェックインを可能にした。家族的な触れ合いを求める人もいるが、家族や仲間だけで過ごしてもらい、必要に応じ交流を図る。

天蓋(てんがい)付きのベッド、広々としたキッチン、目の前に広がる緑の稲原は風に吹かれ波紋を描き、「非日常」を十分に味わえる。玄関先でバーベキューも可能だ。

■農家で歓待

7月下旬、台湾から調理師学校の学生約30人が茨城町を訪れた。同町下石崎の住民らが民泊を行う「ひろうら田舎暮らし体験推進協議会」(清水勝利会長)が受け入れた。

宿泊学習や修学旅行などで訪れる外国人が農家に分宿。シラウオ漁やシジミ漁など涸沼の恵みを生かした多彩な体験メニューがそろい、外国人の利用が9割近くを占める。

住民は片言の英語やスマートフォンの翻訳ソフトを使って会話する。「国際交流なんて気取ったところはないけど、受け入れは楽しい」。孫のような学生たちを前に住民の佐々木楊子さん(78)は目を細める。

客は団体がメインで、個人客の取り込みが課題。同会は5軒を民泊として届け出て家族向けの宿泊に対応するなど新たな展開に備える。

東京五輪を2年後に控え、民泊は逼迫(ひっぱく)する首都圏の宿泊施設を賄う選択肢となる可能性を秘める。旅館業法が認めていない住宅地や学校周辺で営業でき、空き家活用にもつながる。

しかし、運営には登記などの書類を用意し、県への届け出が必要で、2カ月ごとの宿泊実績報告も求められるなど手続きは煩雑だ。近藤さん、奥野さん共に消防署の書類を得るのに時間がかかったという。奥野さんは「守りの法律。締め付けが厳しすぎるとせっかくの機会が広がらない」と、誘客の流れに水を差さないよう懸念を示す。

住宅街にある普通のアパートの1室が民泊用に貸し出されている=龍ケ崎市佐貫
住宅街にある普通のアパートの1室が民泊用に貸し出されている=龍ケ崎市佐貫