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民泊の解禁 住環境と活性化の両立を

投稿日 : 2018年6月22日 | 最終更新日時 : 2018年6月22日

山陽新聞 – 2018.06.22

http://www.sanyonews.jp/article/736590/1/

近隣住民の生活環境を脅かすことなく、地域の活性化にも役立つ制度に育てたい。一戸建てやマンションといった一般の住宅に旅行者らを有料で泊める「民泊」を解禁する新法が施行され、きょうで1週間を迎えた。

政府は観光促進を成長戦略の柱に掲げて外国人訪日客の誘致に取り組み、2017年は過去最高の2869万人に達した。東京五輪・パラリンピックが開かれる20年に4千万人とする目標に向け、大都市などで目立つ宿泊施設不足を解消する切り札として導入したのが民泊である。

新法により、一定の条件を守れば自治体に届け出るだけで民泊を始められるようになった。宿泊施設の開設が原則禁止だった住宅地での営業も認められる。一方で、地域の住環境を守るため、自治体が条例を作れば規制強化もできるようにした。

だが、制度が始まった15日時点の届け出は全国で3728件、岡山県内も13件にとどまる。5月末に最大手の仲介サイトに約5万5千件が紹介されていたことを考えれば、低調な滑り出しとなった。

営業日数が年間180日までに制限されたことが採算面の不安を招き、手続きの面倒さなどもあって家主が敬遠しているとみられる。美観地区での民泊開設を禁じた倉敷市のように禁止区域を設けたり、営業日数を短縮したりする上乗せ規制に踏み切った自治体が多いことも影響した。

国は観光促進の立場から規制を最小限にとどめるよう自治体に求めていた。ただ、都市部の民泊でごみ出しや騒音といったトラブルが相次いだことを考慮すれば、住民の平穏な生活の確保へ自治体が規制を強化するのは理解できる。「観光公害」に我慢を強いるようなことになっては、長続きも難しかろう。

懸念されるのはこれまで違法に営業していた民泊施設の動向だ。届け出をせずに潜在化する恐れも指摘される中、きのう、最大手の仲介サイトで無届けの違法物件を掲載していたことが発覚し、数千件が削除されたという。国や自治体、仲介業者は監視を強化し、制度が健全に発展するよう努めてもらいたい。

民泊の開設は民宿や旅館より手軽で、宿泊施設の乏しい中山間地などにとっては、旅行者を増やす好機となろう。

外国人旅行者はリピーターが増加しており、東京、大阪といった大都市圏中心から他の地方への分散化が進む。日本ならではの体験を楽しむ人が増えるなど旅のスタイルの多様化も追い風である。

古民家、農業、自然環境、伝統文化、郷土料理など、それぞれの地域には体験型観光にうってつけの素材がまだ多く眠っている。自治体や住民団体、地元企業などが連携して魅力的な観光資源に磨き上げれば、旅行者にとって魅力が増すだけでなく、地域ににぎわいを取り戻す波及効果も期待できよう。