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熱いコンビニと冷めたホスト、民泊解禁に早くも温度差

投稿日 : 2018年6月6日 | 最終更新日時 : 2018年6月6日

日経 xTECH(クロステック) – 2018.06.6

http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/mag/nc/18/020800017/053100065/

自宅や空き部屋を宿泊施設として貸す民泊の解禁が6月15日に迫ってきた。商機とみる民泊大手や小売り、旅行などの企業はサービス拡充に前のめりだ。その一方で、宿泊施設を提供する物件所有者の熱は冷めている。

 「シェアリングエコノミーの流れは止められない。民泊解禁で大きな需要を見込んでいる」。ファミリーマートの沢田貴司社長は2018年5月21日、民泊サービス大手の米エアビーアンドビーとの提携会見で期待を語った。

ファミマは6月15日の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行に合わせて、エアビーに登録された宿泊施設の貸し手(ホスト)や借り手(ゲスト)を対象にした鍵の受け渡しサービスを始める。ファミマの店舗に宿泊施設の鍵の保管庫を設置。エアビーで宿泊するゲストは店舗で鍵を受け取れる。

ファミマだけではない。ホストやゲスト、さらに物件の管理運営をホストから受託する「住宅宿泊管理業者」に向けたサービスを拡充する企業が相次いでいる。コンビニ業界ではセブン-イレブン・ジャパンがJTBと組み、無人で鍵を受け渡せるチェックイン専用機をセブンの店舗に設ける。2020年までに1000店に導入する計画だ。

同チェックイン機を使うと宿泊者名簿の作成からパスポートによる本人確認、鍵の受け渡しまで全ての作業をゲストがセルフでこなせる。セブンの店員は原則として作業に関わらないため、「店舗の事務負担はほとんどない」(JTBの野添幸太開発推進担当部長)。

民泊仲介事業者の中で特に力が入っているのが楽天だ。同社は不動産情報サービス大手のLIFULLと共同出資で楽天LIFULL STAYを2017年に設立。6月15日の民泊新法施行に向けて物件の登録を受け付けている。詳細な数は非公表だが「想定を上回るペースで申し込みを受け付けている」(楽天LIFULL STAYの太田宗克社長)。

同社の売りはアジアを中心にした民泊事業者との提携網だ。中国の途家(トゥージア)、韓国のYanolja、台湾のAsiaYo.com、さらに米ホームアウェイなどと提携。新法の施行後、楽天LIFULL STAYのサイトに物件を掲載すると自動的に提携先のサイトにも掲載されるようにする。「ITを活用して物件所有者が掲載しやすく売りやすい仕組みを整えていく」(太田社長)。

表 民泊関連のサービスを発表した主な企業とその内容
未知の市場に商機を探る
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国内物件は激減の公算

熱が入る事業者と対照的に、宿泊施設を貸し出すホストは盛り上がりに欠けるようだ。観光庁によれば5月11日の時点で新法に基づくホストの届け出件数は724件にとどまる。

6万2000件というエアビーの国内物件も激減する公算が大きい。というのも、同社は新法の施行後は届け出がない物件を掲載しない方針だからだ。

民泊は宿泊施設不足などの課題を解決する可能性を秘める。しかし現状は熱を帯びる事業者と冷めたホストの差が際立つ。市場が伸び悩めば事業者の意気込みは絵に描いた餅で終わるだろう。

出典:日経コンピュータ、2018年6月7日号 p.11 「民泊解禁、早くも温度差 熱いコンビニ、冷めるホスト」を改題
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。