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謎解きが楽しい! リアル脱出ゲームが中国で急増中!

投稿日 : 2017年11月1日 | 最終更新日時 : 2017年11月1日

日経トレンディネット – 2017.10.31

http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/1031523/102600053/

マンションの一室がゲーム施設に!?

「真人密室逃脱遊戯」と呼ばれるリアル脱出ゲームが中国各地で急増している。ひと言で言ってしまうと「閉じ込められた部屋から脱出する」という遊びなのだが、出口の鍵や解錠番号を入手するには室内に仕掛けられたさまざまなパズルを解く必要があるのがポイントだ。

中国メディアによれば、「真人密室逃脱遊戯」が登場したのは2013年ごろのようだが、この1、2年で再び大きな波が来ているように思う。施設としてはショッピングモール内にもあるのだが、むしろ高層マンションの一室を利用した小さな施設が急増している感じだ。料金は施設によってまちまちではあるが、だいたい1回につき100元(約1700円)前後となっている。

口コミサイトの「大衆点評」や「美団」で「真人密室逃脱遊戯」を検索すると、こうした施設が街中にあることが分かる。最近、マンションの一室を趣味の教室や民泊用の客室、カフェなどに利用する動きが中国の都市部にあるが、「真人密室逃脱遊戯」用にリフォームするのもその一例と言えそうだ。

もちろん、そういった内装を手掛けるリフォーム業者は中国全土に存在するし、またゲームで使用するボタンやパネル、発光装置などのギミック類もECサイトの「淘宝網(タオバオ)」で手に入る。

ショッピングモール内にある「真人密室逃脱遊戯」の施設
大型の施設には複数のテーマが用意されている
淘宝網にあるゲーム用仕掛け。価格は500元(約8500円)前後

中国版リアル脱出ゲームを利用してみた

記事を書くからには取材しようと思い立ち、数人の知人を集めて「真人密室逃脱遊戯」に挑戦してみた。場所は筆者の滞在する内陸の省都にある、繁華街から少し離れた高層マンションの一室。ウェブサイトに掲載されている情報によると料金は1人につき120元(約2000円)だが、クーポンを利用すると70元になるらしい。ちなみに300~700元(約5000~1万2000円)程度の料金を部屋単位で設定しているところもある。

実際に現地を訪れてみたところ、マンションのエントランスにそれらしい情報は一切なく、施設のある最上階の部屋のドアの1つに施設名が書かれているだけだった。その部屋はメゾネットになっていて、リビングルームをリフォームした受付と待合室のほか、難易度とテーマが異なる部屋が4つ。それぞれのテーマは「船」「工場」「教会」「博物館」で、室内をチラ見したところ、それっぽい壁紙や小道具があった。施設のスタッフによると、季節ごとにテーマを変え、それに合わせて内装も変えているとのことだ。

テーマ、つまり利用する部屋を決めたらスタッフからルールや禁止事項、制限時間などの説明を受ける。貴重品以外をロッカーに預け、スタッフが外から鍵を掛けたらゲームスタートだ。

これから入室する子供たちにルールを説明するスタッフ
各部屋には難易度と利用人数が書かれている

問題点もあるが十分に楽しい

筆者たちが閉じ込められたのは、天井と壁がガラスとなっているルーフバルコニー。照り付ける太陽の下、汗だくになりながらパズルを1つ、また1つと解いて隣の部屋に移動するための鍵を入手する。スタートから約15分、扉が無事に開いたとき、いちばんうれしかったのは暑さから逃れられたことだった。

隣の部屋に移動した後も、最後の鍵を目指してさまざまな仕掛けに挑戦していく。実は、筆者自身は日本でも「リアル脱出ゲーム」で遊んだ経験がある。中国の「真人密室逃脱遊戯」は日本のそれと比べると大がかりとは言えないものの、安っぽいわけでもなく、謎解きも理にかなっていて意外と楽しめた。

ただし、安全面にはやや問題がある。場所によって暑すぎたり寒すぎたり……そして、角のある鉄製の家具があちこちにあったりするのだ。日本ではちょっと考えにくいが、安全面については中国メディアも問題視しているようで記事にもなった。住宅で営業している点や安全面の問題で、当局の指導が入る可能性もありそうだ。

とはいえ「真人密室逃脱遊戯」は、娯楽がまだまだ足りない地方の若者にとって貴重な遊び場の1つとなっている。筆者自身も別のテーマでまた遊びたいくらいなので、中国のリアル脱出ゲーム市場はまだまだ伸びしろがあるように思う。

閉じ込められた空間は想像よりはるかに狭かった
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壁や床に仕掛けられたパズルを解いて鍵を探す
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著者

山谷剛史(やまや たけし)

海外専門ITライターとしてライター業を始めるものの、中国ITを知れば知るほど広くそして深いネタが数限りなく埋蔵されていることに気づき、すっかり中国アジア専門のITライターに。連載に「山谷剛史の「アジアIT小話」」、「山谷剛史のマンスリーチャイナネット事件簿」、「中国ビジネス四方山話」など。著書に「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立」(星海社新書)「新しい中国人 ネットで団結する若者たち」(ソフトバンククリエイティブ)など。