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「民泊」法案 地域住民の理解が必要だ

投稿日 : 2017年5月1日 | 最終更新日時 : 2017年5月1日

西日本新聞 2017年04月30日

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/325240

一般住宅を宿泊施設として活用する「民泊」の営業基準を定めた法案が、国会に提出された。

自治体への届け出制や、客を泊められる営業日数を年180日以内とすることが主な内容だ。生活環境の悪化が懸念される地域では、自治体独自の条例で営業日数の短縮も可能としている。

法令違反の場合は業務停止命令や事業廃止命令を出し、従わなければ6月以下の懲役または100万円以下の罰金も科す。

政府は訪日外国人を2020年に4千万人へ増やす目標を掲げている。大都市を中心に宿泊施設不足が深刻化する中で民泊は新たな受け皿として注目されている。

一方で、騒音など生活環境の悪化に対する住民の懸念も根強い。健全な運営には、行政による営業実態の把握や民泊を行う家主の指導監督が欠かせない。今回の法制化は、地域の理解を得られるルールづくりの第一歩と考えたい。

民泊は昨年4月から旅館業法に基づく許可制の形で解禁された。訪日客がインターネットのサイトで予約して利用することが多い。住居専用地域では原則営業できず、耐火基準や避難経路確保など規制も厳しいことから、無許可で民泊を行う事例が後を絶たない。

厚生労働省が民泊仲介サイトで紹介された約1万5千件を抽出調査したところ、約3割が無許可営業だった。半数は物件すら特定できず、許可を受けたかどうかも確認できなかったという。

法案では民泊住宅の標識掲示が義務付けられた。家主が同居しないケースでは国に登録した施設管理者を置き、家主と同様の義務を負わせる。ただし、あくまで家主が届け出ることが前提で、無許可の「ヤミ民泊」の是正につながるかどうかは不透明だ。実効性をいかに高めるかが課題だろう。

民泊が外国人と地域住民の交流につながるプラス面にも気を配りたい。過疎に悩む地方では地域活性化につながる可能性もある。

地域の実情を考慮した運用を考えることが肝要だ。周辺住民の理解があってこその民泊である。
=2017/04/30付 西日本新聞朝刊=